富永さん、本日も売れる営業マンを目指す方から質問が届いています^^
よろしくお願いします!
「お客様と話していて、お客様が間違ったことをおっしゃられた時に、どんな対応をしていいのかわからず困っています。どう対応したらいいのでしょうか?教えて下さい!」
はい!
つい相手の誤りって指摘したくなるのが人間の心理ですが、ここはグッと我慢。
では、具体的にお話をしていきますね。
[相手の誤りを指摘しない]
たとえ、相手が100%間違っているとわかっていてもです。
反対意見や余計なアドバイスは言わないのと同様、相手の誤りも指摘しないほうがいい
のです。
理屈どおりに動く人はめったにいません。
誰もが、偏見・先入観・嫉妬心・猜疑心・ねたみ・自負心を持ち、自分にとって絶対に正しいと思う価値観を持っています。
特に、趣向性が高い分野(趣味や好きなアイドルなど)はなおさらです。
人は、自分のことを受け入れてもらいたい、自分の信じる価値観を認めてもらいたいと思っています。
そして、他人によって自分が変えられてしまうことをとても恐れているのです。
だから他人から指摘や批判を受けると、「自分は認められていないんだ」
「この人は私を変えようとしているんだ」と感じて、自尊心が傷ついてしまいます。
そして自分を守るため、よりかたくなに心を閉ざし、自分の正しさを主張しはじめます。
商談でこうなってしまうともう険悪なムードで、提案するどころではなくなってしまいます。
だから、「あ、この人は間違っているな」と思っても、わざわざ指摘しないほうがいい んです。指摘してもいいことなんて一つもありません!
何も自分の考えを曲げろと言うわけではありません。
大切なのは、「相手の考えは、相手のなかで常に正しい」ということ、お互いそれぞれ別の価値観を持っていることを再認識することです。
でももし相手の言うことが明らかな間違いで、正したほうがいいと思ったときは、こんなふうに伝えてみてはどうでしょうか。
まず、自分との発想の違いをはっきり認めます。
「新しいですね! それは私の価値観にはありませんでした。私は間違っていたのかもしれません。私はよく間違えますから……」
そして、 「この際、間違っていることはいろいろ直したいので、あらためて最初から一緒に考えていただけませんか?」
そう言えば相手も、
「そこまで言うなら……」
と、考え方の筋道を一緒にたどってくれ るでしょう。
そして一つ一つ事実を確認していく過程で、「自分は間違っていたな」と気づいてくださることがよくあります。
これだと相手は自分で間違いに気づいたと受け止めるので、人に指摘されたときのよう に、恥ずかしい思いをすることもありません。
【相手の意見を否定せず見直してもらうには】
リサイクルショップをオープンしたいというお客さまが、他社の店舗型フランチャイズに加盟するか、当社のインターネット型に加盟するかで、迷われていた事例がありました。
店舗を用意するとなると、初期投資額が大きいので、継続的経費を考えると、当時のその方にとってはリスクが高いように思いました。
ですが、「自分の生まれ育った町にお店を出したい」という強い希望があり、
「では、お店を出す方向で考えてみましょう」と、他社の店舗型フランチャイズに加盟する場合に必要な費用(店舗準備費用、改装費、融資額と返済額、月々の経費など……)を、
お客さまと一緒に計算していきました。融資を受ける場合の書類の書き方や自己資金の比率なども具体的に説明しました。
店舗を出すための実際の準備です。
その後、資金の面の実情が見えてきたお客さまは、当社のシステムに加盟されることになりました。
お客さまの望む形を一度、しっかりと考えて具体的に進めていくことで、本当に自分のためになるのは、何なのかに気付くことがあります。
いかに自分たちの意見、商品が良いのかを私たちが伝えるのではなく、お客さま自身で気づいていただくことが非常に重要です。
そもそも、何をするにも必ず思い通りにいかない事態は起こります。
そのときに、自分自身で出した答えでなければ、お客さまのより大きな後悔につながる可能性があるのです。
【反対意見を述べるときのコツ】
「間違いは指摘しない」のがベストとはいえ、時には、相手とは異なる意見を言わざるを得ないこともあります。
そんなときは、あからさまに相手を否定しないように、アドバイスにもならないように、細心の注意を払いながら意見を述べたいところです。
最初に相手の意見を肯定してから否定する、「イエス・バット」という方法があります が、それよりももっとソフトな感じでいきましょう。
それは、アサーティブという方法です。アサーティブとは、相手のことも尊重しながら自分の考えや気持ちを適切に表現する技術。怒ったり卑屈になったりせずに、さわやかな 感じできちんと自己主張することです。
例えば、こんなふうに使います。
「なるほどお客さまの考え、いいですね。素晴らしいと思います。私の考えも聞いてみていただけますか?」
正解、不正解、評価などは一切なくフラットな状態で、自分と相手の二つの意見を目の前のちゃぶ台に並べて置くイメージです。
そして、どちらかに決めるのではなく、2人で目的に向かって物事を精査していくような雰囲気で、話を進めていきます。
先ほどの店舗型のショップを出したかったお客さまの場合の、「資金がない」という問題で考えてみましょう。
「資金がないんです」という場合、「それなら、借りればいいんですよ」と伝えたとして も、借金させられると思うと嫌ですよね。そこで、 「融資という方法もありますが、借金って怖いですよね、今の、手持ち資金で始めるパターンで考えてみましょう。フリーマーケットやご近所のリサイクルショップで利幅がとれそうな商品を買い付けてオークションで売る場合、仕入が○万円。 ○万円で売れると5万円の利益です。これを1年続けて ○万円の利益が出ます」
「資本金を用意するという方法で考えてみましょう。経営者の最初の仕事は資金繰りです。
そこから経費を引き算します。仕入は資産になります。 ○万円分買えたら100万円分の
販売価格です。ここで ○万円の利益が出ます」
ノーリスクで始める方法、ローリスクで始める方法、またはさらに、別の商売まで並べて、未来を一緒に考えていきます。
間違いや意見の相違を、無理に正そうとする必要はありません。
「お客さまに喜んでいただける方法を考えたいんです。その先の目的は、ご家族が笑顔になることですよね。そのために必要なことは何でしょうか?」
と、間違いや意見の相違はひとまず保留にして、そのうえでどのようにしてゴールに向かっていくか、一緒に話し合えばいいのです。
たとえそれが、あなたにとっては遠回りな道だと思えても、お客さまにとっては正しい道です。
どんな道でも、お客さまは自分が納得した道しか進むことはありません。営業マンが勝手に道を用意する必要はないのです。
今日はここまで!
今まで何度もでてきたフレーズ、 「お客様が自分が納得した道しか進むことはない」。
そこを意識すると、すべての見方が変わってくるようですね‥!!
【本日の名言】
あなたにとっては遠回りな道だと思えても、お客さまにとっては正しい道です。
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